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古代から「備前国」として知られ、日本六古窯の一つである「備前焼」の産地でもある岡山県は、江戸時代には北前船の寄港地や徳川家直轄の「天領」として栄えた地域でもあります。
1670年に岡山藩主池田光政が庶民のために公立学校を創立するなど、古くから文化や教育への関心が高かった岡山県には骨董的価値のある工芸品や美術品が数多く残されており、遺品整理や蔵整理などの際に見つかることも少なくありません。
一見するとそれほど価値がないように見えても思わぬ価値がつくことがありますので、古い陶磁器や工芸品、茶道具などの売却をご検討の際はぜひご相談ください。
専門的な知識と豊富な経験を持つ査定士が価値を判断し、適正な買取額を提示させていただきます。

岡山県にゆかりのある骨董品

備前焼

備前焼は、岡山県備前市周辺を産地とする陶磁器で、中世から現在まで歴史が途絶えずに続いている「日本六古窯」の一つに数えられる焼き物です。古墳時代から平安時代にかけて作られた須恵器が発展して備前焼になったといわれています。十分な酸素を含んだ火で焼き上げる酸化焔焼成によって堅く締められた赤みの強い味わいや茶褐色の地肌、炎の当たり具合などの影響で色や模様が変化する「窯変」が特徴で、派手さはないが飽きが来ないことから人気があります。また、固く焼しめられているため水を通さず丈夫で、水瓶や茶器、酒器、皿などが作られてきました。

郷原漆器

郷原漆器は、岡山県真庭市の蒜山高原で生産される漆器で、1390年から始まった明徳年間から作られていたといわれています。蒔絵などの柄を施さず、拭き漆の技法で木目を美しく見せることからシンプルで使いやすいことで人気があります。また、ヤマグリの芯部を使っていることも大きな特徴で、美しく丈夫でありながら安価なことから「郷原輪島」と呼ばれて親しまれてきました。現在、郷原漆器は岡山県郷土伝統的工芸品に指定されており、真庭市の地域ブランド「真庭ブランド」にも認定されています。

岡山県にゆかりのある作家・作品

有元利夫

有元利夫は、1946年に岡山県津山市に生まれた画家です。幼い頃から油絵に親しんでおり、特にゴッホが好きだったといわれています。1962年に駒込高等学校で、当時東京藝術大学の院生だった版画家の中林忠良と出会い、芸術家への道に進もうと決意。1969年に5度目の挑戦で東京藝術大学美術学部デザイン科に入学し、イタリアのフレスコ画に強い感銘を受けました帰国後、フレスコ画の質感を求めて、岩絵具や顔料を色材に、アクリルや膠を媒材として用いる独特の油彩技法を確立します。東京藝術大学卒業後は広告代理店でデザイナーとして働きながら制作に励み、1975年に初の個展を開催。1976年に広告代理店を退社して東京藝術大学で非常勤講師をしながら画業に打ち込みます。 有元利夫の作品は独特の技法と素朴な画情から評価が高く、日本の洋画界に新しい領域をもたらしたといわれています。花や音楽・女神・手品・花火などのモチーフを用いた幻想的で素朴な作品が多く、銅版画集「7つの音楽」や「一千一秒物語」にもその特徴が表れています。

池田遙邨

池田遙邨は、1895年に現在の倉敷市で生まれた日本画家です。幼少より画才があった池田遙邨は、大阪の松原三五郎が主宰する天彩画塾に入門して洋画を学び、1914年、わずか18歳で第8回文展に出品した水彩画「みなとの曇り日」が入選を果たします。その後、日本画に興味を持ち、京都に移って竹内栖鳳の画塾・竹杖会に入門し、日本画に転向しました。エドヴァルド・ムンクやピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの影響を受けた独特な作風であったため、当初はあまり評価されていませんでしたが、大正末期から大和絵を新解釈した画家として評価されるようになります。関東大震災の惨状を描いた洋画風の「災禍の跡」が話題となったほか、晩年に手掛けた種田山頭火の俳句をモチーフとしたシリーズは現代日本画の可能性を探った作品となりました。

小野竹喬

小野竹喬は、1889年に岡山県笠岡市で生まれた日本画家です。1903年から京都で竹内栖鳳に師事し、1909年に同じ画塾に通う土田麦僊とともに京都市立絵画専門学校に入学し、セザンヌなどの西洋近代絵画と、富岡鉄斎など南画の影響を受けた作風を確立します。京都市立絵画専門学校卒業後の1916年、洋画的手法を果敢に取り入れた「島二作」と第10回分展に出品して特選を受賞しました。その後は、1918年から1928年まで国画創作協会に出品するようになり、1928年に同会が解散した後は官展に復帰。戦後は日本画壇の重鎮として活躍しました。 日本の自然の風景を独特な色彩感覚で描いた作品を多く残しており、笠岡市にある「竹喬美術館」で鑑賞することができます。

高塚省吾

高塚省吾は、岡山市出身の洋画家です。1949年に東京芸術大学美術学部油画科に入学し、梅原龍三郎、林武、硲伊之助に師事します。1953年に卒業後、第7回から第11回までの日本アンデパンダン展に出品しました。1954年には新東宝撮影所美術課に勤務するかたわら、芸大の仲間と「8人の会」を結成。1955年には初の個展を開催したほか、映画美術、バレエの舞台美術、衣装デザイン、台本の他、挿絵などの仕事を手掛け、多方面で活躍します。1970年代初めには春陽堂版江戸川乱歩全集の表紙絵を手がけ、1978年にはジャパン・エンバ美術賞入選。1980年に「高塚省吾素描集 おんな」を出版し、裸婦美人画家としての名声を確立しました。

斎藤真一

斎藤真一は、1922年に岡山県倉敷市で生まれた洋画家であり作家で、映画「吉原炎上」の原作者としても知られています。岡山県立天城中学校に通っているころから絵画に興味を持ち始め、東京美術学校(現・東京芸術大学)師範科に進学しました。1948年に東京美術学校卒業した後は静岡市立第一中学校や岡山県立天城高等学校で教鞭を執りながら絵画活動を続け、日展をはじめとした展覧会に出品し、高い評価を得ます。1958年から二年間パリに留学して藤田嗣治と親交を深め、帰国後は藤田嗣治の勧めの通り東北地方を訪れ、東北の風景や文化、盲目の女性芸能者である「瞽女」に強く惹かれ、その後の創作の題材としました。 「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」に代表される、儚くも力強い瞽女の姿を描いたその表現力と独自性は高く評価されており、現在は岡山県立美術館や刈谷市美術館などで作品を鑑賞することができます。

平櫛田中

平櫛田中は、1872年に岡山県井原市で生まれた彫刻家です。1893年に大阪の人形師 中谷省古に弟子入りして木彫を学び、その後、高村光雲や岡倉天心の教えを受け、伝統的な木彫技術と西洋の彫塑の表現を融合させた作風を確立。緊張感と人間味あふれる豊かな情緒性を兼ね備えた写実的な作風は高く評価され、1944年に帝室技芸員となります。1933年に代表作となる「鏡獅子」を完成させ、1962年に文化勲章を受章しました。

金重陶陽

金重陶陽は、1896年に備前焼の名門である金重家に生まれた陶芸家です。1910年から父について昨冬をはじめ、窯の改良や彩色備前を作り始めるなど研究を重ね、江戸時代中期以降人気を失っていた備前焼を再興させることに成功します。「備前飛獅子置物」「彩色備前鬼瓦に鳩置物」を昭和天皇に献上するなど多くの功績を残し、「備前焼中興の祖」と称されるようになった金重陶陽は、1956年に備前の陶工としては初めての人間国宝に認定されました。

藤原雄・啓

藤原雄は、1970年に「備前焼」の人間国宝に認定された藤原啓の長男で、備前焼の陶芸家です。 父である藤原啓は作家として活躍していましたが、40歳から陶芸の道に転身。金重陶陽や北大路魯山人などから指導を受け、作陶に取り組みました。桃山古備前の技法を基礎にしながらも近代的な造形が特徴の作品を手がけました。 藤原雄は1932年に岡山県備前市で生まれました。1955年から父について作陶を学び、1958年に日本伝統工芸展に初入選します。備前焼の伝統を重んじながらも、新しい感性に溢れた作品は海外でも高く評価され、1996年に「備前焼」の人間国宝に認定され、二代にわたっての人間国宝となりました。

鹿子木孟郎

鹿子木孟郎は、1874年に岡山県で生まれた洋画家です。松原三五郎の天彩学舎で油絵を学び、図画教員などを経た後、1900年に渡欧、1901年にパリのアカデミー・ジュリアンで、フランス最後の歴史画家と称されたジャン=ポール・ローランスの教えを受け、1904年に帰国します。帰国後は日本で本格的に画家として活動。京都で画塾を開く傍ら、関西美術院の創立に尽くしたり美術雑誌の創刊にかかわったりと活躍します。1932年にレジオン・ドヌール勲章を受章。「ローランス画伯の肖像」や「新夫人」など、肖像画がとくに有名です。

竹久夢二

竹久夢二は1884年に岡山県邑久郡で生まれた画家です。抒情的な作風の美人画を描き、その独自性から「夢二式美人」と呼ばれました。児童雑誌や詩文の挿絵、書籍の装幀や広告宣伝物、日用雑貨のデザインも手がけ、日本の近代グラフィック・デザインの草分けともいわれています。日本画、洋画、水彩画など幅広い作品を数多く残していますが、大正時代のロマンを象徴する「黒船屋」や、美しい風景と人物を描いたシリーズ作品「長崎十二景」など、女性を描いた作品が代表的です。

岡山県の骨董品買取可能エリア

岡山県の市

岡山市、北区、中区、東区、南区、倉敷市、津山市、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、真庭市、美作市、浅口市

岡山県の町村郡

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