武士が描いた、子どもの午後。——柳沢淇園・大幅掛軸

【福岡県北九州市戸畑区買取】

この掛軸のこと

広げると、テーブルからはみ出しました。

それだけの大きさです。二百七十年近く前に描かれたとは思えないほど、唐子たちの色はまだ生きていました。牡丹、竹、奇石、欄干。庭先で遊ぶ子どもたち。蝶が二羽。

ただ、大きくて、静かな作品でした。

描かれているのは唐子遊び図。中国風の衣装をまとった子どもたちが庭先で遊ぶ、吉祥の画題です。子孫繁栄・家内安全を願う縁起のよい題材として、古くから床の間に飾られてきました。

一人ひとりに表情があります。遊びに夢中な子、器の前で何かを考えている子、少し離れて様子を見ている子。賑やかなのに、どこか静かです。

柳沢淇園という人物について

柳沢淇園(1703〜1758)は、江戸時代中期の武士であり、文人画家であり、漢詩人でした。服部南郭、祇園南海、彭城百川らとともに、日本文人画の先駆者と称される存在です。

武士です。絵描きではなく、れっきとした武士。五代将軍綱吉の御側用人・柳沢吉保の筆頭家老の次男として江戸に生まれ、大和郡山藩に仕えながら、生涯筆を手放しませんでした。

長崎派の画家・英元章に師事して唐絵を学び、書画のほか詩文、易学、天文、音楽、製薬にまで秀でていたと伝わります。藩政を担いながら、それだけのことをした人でした。

生涯は五十五年。残した作品は今も美術市場で高く評価され、博物館や美術館の所蔵品としても名を連ねています。

掛軸を手放す日のことを思う

お客様はたいてい、少し申し訳なさそうにされています。

「邪魔にしているわけじゃないんですが」「価値があるかどうかもわからなくて」——そうおっしゃりながら、丁寧に風呂敷に包んでお持ちくださる。

戦後の日本を懸命に生きた世代が、少しずつ代替わりしていく時代です。床の間のある家が減り、掛軸を飾る習慣も薄れていく中で、それでも誰かが手をかけ、場所をつくり、守り続けてきたものがあります。

処分、という言葉は使いたくありません。次の人へ渡る、ということだと思っています。

その橋渡しを、誠実に努めることが私たちの仕事です。

大きな掛軸も、出張買取でお伺いします

今回のような大幅の掛軸は、お一人でのお持ち込みが難しい場合がほとんどです。アジアアートでは福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県への出張査定・出張買取に対応しております。

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どうかお気軽にご相談ください

「本物かどうかわからない」「価値があるかどうか不安」——そのままで構いません。

アジアアートは福岡市中央区に本店を置き、九州各地の古美術・骨董品買取を専門に行っております。柳沢淇園をはじめ、江戸・明治・大正・昭和の日本画家の掛軸、また中国・朝鮮の書画についても豊富な査定実績がございます。

大切にされてきたものを、次に大切にしてくれる人へ。


アジアアート(アジアアートギャラリー)
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