十三代今右衛門作錦菊絵瓢瓶
【福岡県田川市買取】
有田町が誇る名窯の逸品 – 田川市で出会った十三代今右衛門作錦菊絵瓢瓶
福岡県田川市での出張買取の際、思いがけない出会いがありました。それは、十三代今右衛門作の錦菊絵瓢瓶です。田川市は炭鉱の町として知られていますが、その歴史の陰に隠れるように、素晴らしい美術品が眠っていたのです。この作品との出会いは、日本の陶磁器文化の深さと、福岡県の豊かな陶芸の歴史を改めて実感させるものでした。
今右衛門窯は、有田焼の名門として知られ、その歴史は江戸時代初期にまで遡ります。初代今右衛門が1637年に創業して以来、代々の当主が技術を磨き、革新を重ねてきました。今右衛門窯は、独自の赤絵技法で知られており、白磁の上に鮮やかな赤や青、緑などの色彩で繊細な絵付けを施す点が特徴です。
十三代今右衛門(1926-2001)は、この伝統を受け継ぎつつ、現代的な感性を取り入れた作品で高い評価を得た陶芸家です。1956年に人間国宝に認定され、日本の陶芸界に大きな影響を与えました。
今回買い取らせていただいた錦菊絵瓢瓶は、十三代今右衛門の名を冠してはいますが、実際には工房作品です。しかし、このことは決して作品の価値を損なうものではありません。今右衛門窯の作品は、当主の指導の下、熟練の職人たちが丹精込めて制作しています。この瓢瓶も、今右衛門窯の伝統と技術が凝縮された逸品といえるでしょう。
瓢瓶の表面には、鮮やかな赤と青を基調とした錦菊の絵柄が描かれています。これは、今右衛門窯の特徴的な技法を用いたものです。白磁の肌に映える艶やかな色彩は、見る者の目を惹きつけずにいられません。
また、瓢瓶の形状にも注目すべきでしょう。上下に膨らみを持つ独特の形は、日本の伝統的な瓢箪の形を想起させます。この形状は、単に美しいだけでなく、実用性も兼ね備えています。注ぐ際の使いやすさを考慮した、先人の知恵が感じられます。
今回の買取価格は17,000円となりました。工房作品であることを考慮しつつも、傷みがなく、桐箱も美しい状態で保管されていたことが評価のポイントとなりました。本人作であれば、さらに高額での買取が可能だったかもしれません。
ここで強調しておきたいのは、美術品や骨董品の価値は、単に作者の名前だけで決まるものではないということです。今回の瓢瓶のように、工房作品であっても、その技術の高さや保存状態によっては、十分に価値のある作品となります。
特に、有田焼や鍋島焼などの伝統的な陶磁器は、その歴史的・文化的価値から、多くの愛好家に求められています。福岡県は、これらの名窯の地として知られ、今でも多くの陶芸作家が活躍しています。
しかし、このような価値ある陶磁器が、その真価を見出されないまま処分されてしまうケースも少なくありません。特に、近年増加している一般の片付け業者や不動産会社、引越業者などが行う遺品整理では、専門的な知識がないため、貴重な美術品を見逃してしまう可能性があります。
そのため、家の整理や遺品整理を考えておられる方は、まずは美術品・骨董品の専門家に相談することをおすすめします。日本中国美術骨董品アジアアートでは、出張費や査定料を一切いただいておりませんので、お気軽にご相談いただけます。たとえ買取できる品物がなかったとしても、ご心配なくお問い合わせください。
福岡県田川市をはじめ、福岡県全域で出張買取を承っております。今右衛門窯の作品はもちろん、有田焼、鍋島焼など、幅広いジャンルの陶磁器を取り扱っています。お客様の大切な品々を、次の世代へとつなぐお手伝いをさせていただきます。
美術品や骨董品には、時として驚くべき価値が隠れています。今回の十三代今右衛門作錦菊絵瓢瓶のように、思わぬところに宝物が眠っているかもしれません。皆様のお手元にある品々の中にも、福岡の豊かな陶芸文化を物語る宝物が眠っているかもしれません。
福岡の地には、まだ見ぬ美術品の数々が眠っています。それらは、この地の歴史と文化を静かに物語る証人たちです。私たちは、そんな「まだ見ぬ美」との出会いを楽しみに、日々の業務に取り組んでいます。あなたのお家に眠る美術品が、次はどんな物語を紡ぐのか。その瞬間に立ち会えることを、心から楽しみにしています。