古玩天然菊花石
【福岡県太宰府市買取】
買取事例:古玩天然菊花石 – 自然が生み出す芸術の奇跡
福岡の街中、古き良き町並みが残る大宮エリア。当店「日本中国美術骨董品アジアアート」に、ある日一本の電話が入りました。
「菊花石という石があるんですが、買取していただけますか?」
その柔らかな声には、少し不安そうな様子が感じられました。実は、このお客様、既に何軒もの骨董店を当たられたそうです。しかし、どこも「扱っていない」「分からない」と断られてしまったとのこと。
「もちろんです!ぜひ一度拝見させていただきたいですね」
私たちは即座にお答えしました。なぜなら、菊花石こそ、自然が生み出す奇跡の芸術品だからです。
菊花石とは?
菊花石(きっかせき)―― その名の通り、まるで菊の花が石の中に咲いているかのような模様を持つ鑑賞石です。しかし、これは決して菊の化石ではありません。
数億年前、地球の営みによって生まれた天然の芸術品なのです。骨董品が数百年の歴史を持つのに対し、菊花石はその何倍もの時を経て私たちの元に届いた宝物といえるでしょう。
日本と中国、二つの菊花石文化
興味深いことに、菊花石は日本でも中国でも発見されます。しかし、その扱い方には大きな違いがあるのです。
中国の菊花石は、独特の形状が特徴です。中心から上部が大きく、重心の高い不安定な形の石を、小さな木台にぴったりとはめ込んで立てます。まるで、石そのものが立ち上がって花を咲かせているかのよう。評価の基準は、菊の花びらを思わせる文様の出来栄えと、石全体の形状のバランスにあります。
一方、日本の菊花石は、より自然な姿で愛でられることが多いようです。
福岡と菊花石
さて、ここで少し地元・福岡のお話を。
残念ながら、福岡には菊花石が採れる山や川がありません。そのため、地元の方々にはあまり馴染みがないかもしれません。だからこそ、菊花石を扱う古物店も少ないのが現状です。
しかし、だからこそ私たちは、この稀少な美の結晶を大切にしたいと考えています。
お客様との出会い
話を戻しますと、お電話をいただいたその日、私たちはお客様のお宅へ伺いました。
玄関に足を踏み入れると、そこには長年大切に扱われてきた様子の菊花石が。中国・安徽省の産出と思われる、見事な一品でした。
「祖父が中国で商売をしていた頃に手に入れたものなんです。でも、最近は飾る場所もなくて……」
お客様は少し寂しそうに語られました。その石には、きっと家族の歴史が刻まれているのでしょう。
鑑定と評価
丁寧に拝見させていただくと、石の表面に浮かぶ菊の模様の繊細さ、全体のフォルムの美しさ――確かな価値を感じました。
「実はこれ、とても珍しい逸品なんですよ」
私たちがそう伝えると、お客様の表情が明るくなりました。
「本当ですか? でも、他のお店では……」
「はい。菊花石は専門性の高い分野ですから。でも、だからこそ私たちは喜んで買い取らせていただきます」
エピローグ ―― 石が繋ぐ縁
最終的に、この菊花石は当店で買い取らせていただくことになりました。お客様も納得の価格で、安心して手放すことができたようです。
「大切にしていただけるなら、それが一番嬉しいです」
お客様の言葉に、私たちも身が引き締まる思いでした。
この菊花石は、やがて新たな愛好家の元へと旅立っていくことでしょう。そして、また新たな歴史を刻んでいく――。
石の世界は本当に奥深い。私たちは、そんな魅力的な世界への入り口に立っているのかもしれません。
皆様のお手元にも、眠っている宝物はありませんか? ぜひ、気軽にお問い合わせください。思いがけない発見があるかもしれません。
私たち「日本中国美術骨董品アジアアート」は、福岡の地で、これからも美と歴史をつなぐ架け橋でありたいと思います。