陶器と磁器の見分け方!特徴や代表的な焼き物とお手入れ方法も解説
陶器と磁器は、古くから人々に愛されてきた焼き物ですが、素材や製法が異なるため、見た目や質感、そして使い心地にも違いがあります。
しかし、実は違いがよく分からず、何となく選んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、陶器と磁器の見分け方、それぞれの良さや特徴、そしてお手入れ方法まで、わかりやすく解説していきます。
目次
陶器と磁器の見分け方の5つのポイント
陶器と磁器は、一見するとよく似ていますが、素材や製法が異なるため、いくつかの特徴を見れば見分けられます。
ここでは、陶器と磁器の見分け方のポイントを5つ紹介し、それぞれの特性を解説していきます。
音
陶器と磁器は、軽く叩いた時の音で判別できます。
陶器は、土を焼成して作られているため、比較的厚みがあり、鈍い音がします。
一方、磁器は、石を粉砕して作られた粘土を高温で焼成するため、薄くて硬く、金属質の澄んだ音がします。
実際に、お箸などで軽く叩いてみて、その音の違いを感じてみてください。
低く、響きの少ない音がする方が陶器、高く、澄んだ音がする方が磁器の可能性が高いでしょう。
ただし、器の大きさや形によっても音は変わってくるので、音だけで確実に判断することは難しいです。
色
陶器と磁器は、見た目にも違いがあります。
陶器は、土の素材そのものの色合いを生かした、素朴な色合いのものが多く、茶色やベージュ、灰色など、温かみのある色合いが多いです。
一方、磁器は、石を粉砕して作られた粘土を高温で焼成するため、白く、透き通るような美しい色合いをしています。
特に、釉薬(うわぐすり)がかかっていない部分の色に注目すると、その違いがよく分かります。
陶器は、土の色がそのまま出ているため、茶色やベージュなど、土の色合いを感じさせる色をしています。
一方、磁器は、石を粉砕して作られた粘土の色が白いため、釉薬がかかっていない部分も白く、明るい色をしています。
吸水性
陶器と磁器は、吸水性にも大きな違いがあります。
陶器は、土を焼成して作られているため、水を吸い込む性質があり、吸水性が高いです。
一方、磁器は、石を粉砕して作られた粘土を高温で焼成するため、水を吸い込みにくく、吸水性が低いのが特徴です。
そのため、陶器は、水を吸い込みやすいので、お茶碗や湯呑みなど、熱い飲み物を注ぐ器には向いていません。
また、油やソースなどの汚れも染み込みやすいので、汚れやすい料理には向いていません。
一方、磁器は、水を吸い込みにくいため、お茶碗や湯呑みなど、熱い飲み物を注ぐ器に適しています。
また、油やソースなどの汚れも染み込みにくいので、汚れやすい料理にも安心して使えますよ。
透光性
陶器と磁器は、光を通す性質である「透光性」にも違いがあります。
陶器は、土を焼成して作られているため、光を通しにくく、透光性が低いのが特徴です。
一方、磁器は、石を粉砕して作られた粘土を高温で焼成するため、光を通しやすく、透光性が高いのが特徴です。
実際に、光に透かしてみると、その違いがよく分かります。
陶器は、光を通しにくいため、光が透過せず、影がはっきり見えます。
一方、磁器は、光を通しやすいので、光が透過し、影がぼやけて見えます。
質感
陶器と磁器は、触った時の質感にも違いがあります。
陶器は、土を焼成して作られているため、表面がザラザラしていて、素朴な質感です。
一方、磁器は、石を粉砕して作られた粘土を高温で焼成するため、表面がツルツルしていて、滑らかな質感です。
実際に、手で触れてみると、その違いがよく分かります。
陶器は、ザラザラとした、土の温もりが感じられる質感です。
一方、磁器は、ツルツルとした、冷たくて滑らかな質感です。
陶器と磁器のお手入れ方法
陶器と磁器は、それぞれお手入れ方法が異なります。
それぞれの素材に合った適切な方法で、長く愛用できるようお手入れしましょう。
陶器のお手入れ
陶器は、吸水性が高いため、お手入れには少し注意が必要です。
陶器は、初めて使う前に「目止め」を行うのがおすすめです。
目止めとは、陶器の表面に油分を染み込ませることで、水を吸い込みにくくする処理のことです。
目止めをすることで、陶器に汚れが染み込みにくくなり、長く愛用できます。
目止めの方法は、食器を鍋に入れ、お米のとぎ汁に浸して15~20分ほど弱火で煮沸します。
その後、鍋ごと冷まし、よく洗い、充分に乾燥させれば完了です。
また、陶器はを洗った後は、しっかりと乾燥させることが大切です。
特に、水滴が残ったまま保管すると、カビが発生したり、臭いが染み付いたりする原因になります。
洗った後は、食器を立てて乾燥させたり、風通しの良い場所で乾燥させたりしましょう。
陶器は、湿気や直射日光を避けて保管することが大切です。
湿気の多い場所に保管すると、カビが発生したり、変色したりする原因になります。
また、直射日光に当たると、色あせたり、ひび割れしたりする原因になります。
磁器のお手入れ
磁器は、吸水性が低いため、陶器に比べてお手入れは簡単です。
しかし、洗った後はしっかりと乾燥させることが大切です。
磁器は、陶器に比べて吸水性が低いですが、洗った後はしっかりと乾燥させることが大切です。
水滴が残ったまま保管すると、カビが発生したり、臭いが染み付いたりする原因になります。
洗った後は、食器を立てて乾燥させたり、風通しの良い場所で乾燥させたりしましょう。
また、磁器は、陶器に比べて丈夫なので、保管場所を選びません。
しかし、直射日光に当たると、色あせたり、ひび割れしたりする原因になります。
直射日光を避けて保管しましょう。
陶器と磁器の代表的な焼き物
陶器と磁器には、それぞれ特徴的な焼き物が数多く存在します。
ここでは、代表的なやきものを紹介し、それぞれの産地や歴史、特徴について解説します。
陶器の代表的なやきもの
備前焼
岡山県備前地方で生まれた、素朴で力強い焼き物です。
土の素材そのものの美しさを生かした、独特の赤褐色や黒褐色が特徴です。
釉薬をかけずに焼成するため、土の風合いがそのまま味わえます。
信楽焼
滋賀県信楽町で生まれた、素朴で温かみのある焼き物です。
土の素材そのものの美しさを生かした、独特の灰白色や黒褐色が特徴です。
茶碗や湯呑み、壺などの日用品から、オブジェや置物まで、幅広い作品があります。
益子焼
栃木県益子町で生まれた、素朴で実用的な焼き物です。
土の素材そのものの美しさを生かした、独特の黄褐色や灰白色が特徴です。
日用品として使いやすく、茶碗や湯呑み、皿、鉢などが人気です。
磁器の代表的なやきもの
有田焼
佐賀県有田町で生まれた、日本の磁器の代表格です。
白い磁器に、鮮やかな絵付けが施された、華やかな焼き物です。
茶碗や湯呑み、皿、鉢などの日用品から、置物や美術品まで、幅広い作品があります。
伊万里焼
佐賀県伊万里町で生まれた、白磁に鮮やかな色絵付けが施された焼き物です。
輸出用の磁器として、世界中に知られています。
九谷焼
石川県九谷町で生まれた、五彩の絵付けが特徴的な焼き物です。
赤、黄、緑、紫、紺の五色を使った華やかな絵付けが施されています。
まとめ
この記事では、陶器と磁器の見分け方、それぞれの良さや特徴、そしてお手入れ方法について解説しました。
陶器と磁器、それぞれの良さや特徴を理解した上で、あなたにとって最適な焼き物を選びましょう。
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