伝古金工山銅地容彫金鍍金陰陽根競べ馬図目貫(保存刀装具鑑定書付)です。後藤家風の構図に上手の彫りを施した騎士の表情まで伺える金鍍金の容彫造りとなっています。

競べ馬とは、毎年五月五日端午の節句の日に京都、上賀茂神社で行われる、現代の競馬と違い、二頭で競う九百年以上の歴史を持つ行事です。

この作品は個人的に大変興味をそそられるもので、今回は個人的見解をお話しさせて頂きたいと思います。

まず、古金工とは、桃山時代以前の後藤系、美濃系、等の特徴がはっきりと出ていない系統不明で時代の上がる作品に用いられる呼称です。

次に、陰陽根とは、目貫の裏側には足と呼ばれる棒状の突起がついていますが、一般的には角柱形、円柱形となってますが、後藤家上代の作品には稀に表目貫の足を円筒形にされた作品があります。円柱と円筒の対となった形状を陰陽根と称すると云われています。

3つ目は、この作品の構図ですが、競べ馬図で今までに目にした作品は古色の出た金無垢製だった事、本作は山銅地で金鍍金の剥がれ、全体的擦れ、がありますが、寸法、構図もほぼ一致し、彫の出来、騎士の表情、等も金無垢の作品に全く劣ってない事。

以上の事から、もっと作品の状態がよければ、古後藤(上代の後藤宗家の作品)と鑑定書がついたのではないかと推測します。無銘で時代が古く状態が後一歩という感じな為、金銭に直結してしまう鑑定書を発行される機関の苦悩のようなものが伺える大変難しい作品ではないかと思います。

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