沈南蘋
沈南蘋(しん なんぴん)[1682年-1760年]
沈南蘋は江戸中期に来日した清の画家で「ちんなんぴん」と呼ぶこともあります。浙江省呉興の出身で、1731年に江戸幕府の要請で長崎に渡来したといわれています。約2年ほど長崎に留まり、精密な写生風描写と濃彩を特色とする花鳥画の技法を伝えました。
沈南蘋の日本唯一の直弟子である熊斐は南蘋派と呼ばれる日本画の一派を形成し、その写実的な描写は円山応挙や伊藤若冲など江戸中期の画家に多大な影響を及ぼしています。
実業家の橋本貫志が収集した「橋本コレクション」に「雪梅群兎図」が加えられているほか、「秋渓群馬図」が奈良県の大和文華館に所蔵されています。