江戸時代後期、六代土屋安親作、四分一磨地夜行図揃い縁頭(日本刀剣保存会鑑定書付)です。大変上手の作品であり複雑な図柄を肉合彫、毛彫、片切彫、高彫、と技法の限りを尽くして制作され、流石、「奈良三作」土屋安親、の末流で法眼の位を授かった名工の作と言えるでしょう。ただ、鑑定書によれば六代と極められていますが、私的には頭部に「東雨」と号が記されている事、初代と六代は作風、作域、が非常に似ている事、図柄の絶妙な奇妙さ、などの理由から初代安親の作品ではないかと思っています。俗にいう見解の相違ですね。権威ある鑑定師の先生方が六代と言われてるので六代なのですが・・・。
前文に出てくる「法眼」の位ですが、六代土屋安親が活躍した同時期、刀装金工として法眼の位を授かったのは東龍斎清寿と後藤一乗がいます。この二人の金工と六代安親は大きく作風が異なり 、万人受けする綺麗で洗練された作品を残した清寿、一乗、と芸術的とも奇妙とも取れる特色のある作品を残した安親、現代の評価、好みは分かれる所となっています。
現存するする作品は圧倒的に安親が少ないので大変貴重な作品なのは間違いありません。本作は夜行図という他に類を見ない構図を安親の絶妙な技で技法の限りを尽くして制作された白眉品となっています。
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