目貫 伝傍後藤赤胴地容彫簑亀図目貫

伝傍後藤簑亀図赤胴地容彫目貫です。時代を経た赤胴地に黒い時代色が出た細部まで上手の鏨彫りが施されています。

作名にある「傍後藤」とは、後藤宗家以外の後藤分家のことで、初代祐乗から四代光乗までの、時代が看取れない無銘の後藤の作に日本美術刀剣保存協会が鑑定書を付ける際に用いる銘です。五代徳乗の時代に14家に分派し、およそ70人の金工が確認されていますので各時代の作風を分析しても作者を特定出来ないのだと思います。また後藤家は先祖の作風を写す事が多々あり、そうなると尚更、時代や個銘を極めるのは難しいのではないでしょうか。傍後藤と極めがあっても決して下手という事はありません。実物を見て個体のもつ作域を見極めなければなりません。

簑亀図は中国では5世紀、日本でも平安時代から確認されてます。簑亀は背中に簑を羽織ったように見えるのでその名で呼ばれ、このように甲羅に藻が多く生えたり藻が尻尾のようになった亀は特に珍重され、長寿を象徴する縁起物とされ人工的に藻を着生させることもあるようです。

目貫(目抜ともいう)とは刀剣の柄につける装飾金具で、通常その上に柄糸を巻きますが、出し目貫という柄糸をまかない使用法もあります。本来は刀剣の茎孔(なかごあな)へ通して柄を留める目釘の上を飾ったものであったものが、近世には目釘と目貫は分離し、装飾を主目的とするようになりました。室町時代後期に登場する後藤家から始まったと云われています。今回ご紹介のお品をはじめ本買取事例に掲載のお品は、すべて当店をご利用のお客様よりお売り頂いております。お品によって来歴や画像をお載せできないものもあり、こちらの買取事例ではお伝えを控えさせていただいている作品も数多くあります。査定無料・秘密厳守、美術品&宝飾品を売るなら全国展開のアジアアートギャラリーにお任せ下さい。

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2020-06-28T16:57:15+09:00