サビに限らず何年も手入れされずに放っておかれると、本来サビ止めが役目の油が逆に刀身にこびりついて取れなくなることもあります。こんな状態になると素人の手には負えませんので研ぎ師に研いでもらうしかありません。しかしながら研磨は刀にとってもっともお金がかかる工作と同時に、どんな名人でも研いでも刀は減ります。研ぎを掛けるのはできるだけ避けたいものです。現在我々が手にできる刀などは、何百年もの間丁寧に手入れされ、大切にされてきたからこそ今にあるのです。この大切に扱われてきた刀を未来に伝えるためにはしっかり管理するのが我々の使命だと考えています。